「人への投資」のひとつの柱~教育訓練給付制度について徹底解説~

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こんにちは、ayurinです。

突然ですが、皆さんは「人への投資」という言葉を聞いたことがありますか?

政府が目指す「新しい資本主義」の実現に向けた改革の一つが「人への投資」です。
成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指すカギは、経済的豊かさと力強さをもたらす原動力である「人」であるとの考え方に基づいています。

それでは、そもそも「人への投資」とはどのようなことを表しているのでしょうか?
「人への投資」の具体的な内容について、紹介していきたいと思います。

「新しい資本主義」の実現に向けた施策

政府は、政府広報により「新しい資本主義」の実現に向けた様々な取組を公表しています。

主なものとして、

  1. 賃上げ・価格転嫁円滑化の取組
  2. 人的投資の促進
  3. スタートアップ・社会的企業の支援
  4. 地域活性化の取組

が取り上げられています。

この中の人的投資の促進が、いわゆる「人への投資」と言われているものです。

「人への投資」とは?

付加価値を創出し、経済的な豊かさや力強さをもたらす原動力は「人」であるという考え方のもとに、「人」への投資を強化するために、3年間(2024年まで)で4千億円規模の施策パッケージが新たに創設され、国民からの提案を受ける形で施策の具体化が図られました。

非正規雇用の方を含め、学び直しや職業訓練を支援し、再就職や正社員化、ステップアップを強力に進めていくというものです。

具体的には、
【企業に対する支援】
・企業が従業員に対して訓練を行った場合に助成される制度の改正
・デジタル人材を育成する場合の助成率の引き上げ
【個人に対する支援】
学び直しを行う際の給付制度の該当講座に関する対象範囲の拡大
などが盛り込まれています。

特にこの中から、皆さんの学び直しのために活用していただきたい制度として、「教育訓練給付制度」について詳しく紹介したいと思います。

教育訓練給付制度って何?

「教育訓練給付制度」とは、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した方に対して、その経費の一部を雇用保険から支給する制度です。

対象となる講座は、現在15,000講座。オンラインで受講できる講座や、土日・夜間に受講できる講座もあり、働きながらでも受講しやすい講座を選ぶことができます。
指定講座を調べたい方は、「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」から検索することができます。

「教育訓練給付制度」には、そのレベル等に応じて、以下の3つの種類があります。

専門実践教育訓練

受講費用の50%(上限:年間40万円)が支給されます(最大3年。6か月ごとに支給申請に基づいて支給)。さらに、資格取得等をして、訓練終了後1年以内に就職等した場合には、受講費用の20%(上限:年間16万円)が追加で支給されます。

受講に当たっては、訓練前キャリアコンサルティングが必須条件です。

【対象講座】
・業務独占資格などの資格取得を目指す養成課程
 (例)介護福祉士、社会福祉士、看護師、美容師、歯科衛生士、保育士、調理師など
・デジタル関係の講座
 (例)ITSSレベル3以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする講座
    第4次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)
・大学院・大学などの過程
 (例)専門職大学院の過程(MBA、法科大学院、教職大学院など)
    専門職大学・専門職短期大学、専門職学科の過程
    職業実践力育成プログラム
・専門学校の過程
 (例)職業実践専門課程(文部科学大臣認定)、キャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)

特定一般教育訓練

受講費用の40%(上限:年間20万円)が支給されます。
受講に当たっては、訓練前キャリアコンサルティングが必須条件です。

【対象講座】
・業務独占資格などの資格取得を目標とする講座
 (例)介護職員初任者研修、大型自動車第1種・第2種免許など
・デジタル関係の講座
 (例)ITSSレベル2以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする講座
・短時間(60時間以上120時間以下)の職業実践力育成プログラム及びキャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)

一般教育訓練

受講費用の20%(上限:年間10万円)が支給されます。

【対象講座】
・資格の取得を目標とする講座
 (例)英語検定、簿記検定、ITパスポートなど
・大学院などの過程
 (例)修士・博士の学位などの取得を目標とする講座

これらの教育訓練給付を受けるためには、雇用保険の加入期間等一定の条件があります。また、一定の条件を満たした方であれば、パートやアルバイトなど雇用形態を問わず対象となります。

少しでも興味を持った場合には、こちらのホームページ「厚生労働省:教育訓練給付制度」を確認してみてください。

また、申請を行う場合には、お住まいの地域を管轄するハローワークが受付窓口となっており、詳しい支給要件や支給申請手続きの仕方についても、確認することができます。

まとめ

いかがでしたか?

少しかたい話になってしまいましたが、政府が力を入れて推進している「人への投資」について、紹介させていただきました。

日々忙しく過ごしていると、自分のことにまで手が回らないかもしれませんが、自分の人生です。主体的に、自身が希望する人生を歩むためにも、少し立ち止まって、今後について考える時間を作ってみてはいかがでしょうか?

その上で、学び直しが必要だと思った場合には、ぜひ、自身のステップアップのために各種制度を有効活用してください。

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